比重量とは？定義、記号、単位、次元、比重と比重量の違いは何、密度と比重量は同じ？

比重量（ひじゅうりょう）とは単位体積当たりの重量です。比重量の記号はγで表し、重量をW、体積をVとするとき、比重量の定義は下式です。なお、比重量の単位は工学単位系では「kgf/m3」、SI単位系では「N/m3」です。また、比重量の次元は「重量/体積」です。

比重量

なお、比重量と同様の意味を表す用語に「単位体積重量」や「単位容積重量」があります。

また、似た用語に比重がありますが似ているのは名称だけで、両者の考え方は全く違います。比重は水の密度に対する、ある物体の密度との比率（密度比）です。一方、比重量は単位体積当たりの重量です。比重量＝重量比（重量同士の比率）と考えないよう注意しましょう。

さて、密度とは単位体積当たりの質量です。密度の記号をρ、質量の記号をmとすれば「密度＝質量/体積　⇒　ρ＝m/V」です。つまり、密度に重力加速度gを考慮すると比重量の値になります。計算式は下記の通りです。

γ=W/V=mg/V=ρg

上式の通り、比重量は密度に重力加速度を考慮した値です。工学単位系では1kgの質量に生じる重量は1kgfとします。よって、比重量を工学単位系の単位で表す場合「比重量と密度の値は同じ」になります。たとえば、密度の値が1kg/m3であれば比重量の値は1kgf/m3です。

一方で、比重量の単位をSI単位系とする場合、重力加速度9.8m/s2を考慮します。よって、比重量をSI単位系で表す場合は「比重量と密度の値は違う」点に注意しましょう。たとえば、密度の値が1kg/m3であれば比重量の値は約9.8N/m3です。

質量と重量の違いは下記をご覧ください。

最後に例題として「物体の質量が5kg、体積が10m3」の比重量を工学単位系、SI単位系での値を求めましょう。工学単位系での重量は5kgf、SI単位系での重量は5×9.8＝49Nなので、それぞれの比重量は

比重量2

になります。

今回は比重量について説明しました。比重量（ひじゅうりょう）とは単位体積当たりの重量です。

比重量

比重、密度の詳細は下記が参考になります。